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不在者財産管理人と管轄

遺産分割協議をする際、不在者(行方不明者)が相続人の中に存在する場合、その人を除外して手続を進めることができませんので、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申立てをする必要があります。

ところが、その申立て先の裁判所は基本的に「不在者の居所地又は最後の住所地の家庭裁判所」となります。
例えば、申立てをする他の相続人が山口県内に居住していても、不在者の居所地又は最後の住所地(行方不明時の住所)が東京都内であれば、東京家庭裁判所に申立てをしなければならず、その後の審理も東京家庭裁判所で進みます。

このような場合は、裁判所が遠方になって大変不便ですので、事情によっては近くの裁判所(例えば山口家庭裁判所)に事件を移送してもらうことができます。
ただし、必ず移送決定がなされるわけではなく、手続が遅滞することを避けるため必要がある場合や、事件を処理するために特に必要があると認められる場合に限られます(家事事件手続法9条2項)。

移送の判断は裁判官次第ですので、上記の理由を具体的に説明し、移送に理由があることを認めてもらわなければなりません。
移送決定を得るためには、少々テクニックが必要ですので、相続の問題と絡めてお気軽にご相談いただければと思います。

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